[コラム]Amazon はどうやって成長を遂げたのか【3】

株式会社プライムストラクチャーのエンジニアのSayaです。

今回も引き続き、「Amazon」が新規上場や新しい製品カテゴリーの開拓を経て、どう成長してきたのかを紹介していきたいと思います。

Amazon の挑戦

その後も Amazon は資金を集めて倉庫を拡張したり色々会社を買収したりして更に拡大していきました。

この頃、米流通大手のウォルマートから Amazon への引き抜きが続き、とうとうウォルマート側から実損のない訴訟を威嚇射撃として起こされるまでに至りました。

また 1998 年の前半にはすべての商品にランキングをつける方法や、Amazon の特許だった 1 クリック注文が編み出されました。
1 クリック注文とは、事前に顧客のクレジットカード情報と届け先の住所をあらかじめ取得しておくことで、ボタンを 1 回クリックするだけで注文できるというものです。
1999 年に Amazon による特許が成立しました。

ただし成功ばかりではありませんでした。
当時先駆けてインターネットオークションを展開していた eBay を模倣して、 1999 年 3 月にAmazon もインターネットオークションサイトを展開しましたが、eBay の既存の顧客を奪えずに失敗してしまいました。
しかしベゾスは落ち込むことなく、むしろこれは Amazon 以外の売り手を取り込む実験の第一歩となったとまで語っています。

Google へ投資

またベゾスは先見の明にも優れており、まだ小さな有望株であった Google にも投資していました。

当時の Amazon 社員がまだ開発中だったインターネット検索エンジンの Google へ投資しているという話を聞いたベゾスは、その Google の 2 人の創業者たちと直接会って話がしたいと言い、1998 年夏に席をセッティングします。
その席でベゾスは Google の創業者の 2 人からトップページに広告を掲載しない理由などを聞き、彼らの健全な頑固さに感心したといいます。
そうして資金調達は何ヶ月も前に終了したにも関わらず頼み込んでベゾスは Google に投資しました。

もしベゾスがその時の株を持ち続けていたらその価値は今頃 10 億ドルをも超えると言われていますが、Google の 2004 年の IPO 後も株を持ち続けていたかどうかは口を閉ざしたままだそうです。

Amazon の更なる新・商品カテゴリー

更なる拡大を続ける Amazon が 1998 年に始めた音楽とDVDの販売は、最初に取次会社から仕入れて次第にメディアとの直接取引を行うといった方法で成功していました。
その勢いに乗ろうと 1999 年に入ると次の目標をおもちゃ家電に定めます。

ベゾスの意向で社員の反対を押し切りホリデーシーズンには 1 億 2000 万ドルものおもちゃを入荷しますが、その年の冬には慈善事業団体に数多くのおもちゃを寄付することとなります。
しかし、Amazon で商品を検索した子供や親をがっかりさせたくなかったベゾスの意向は確かに達成されました。

家電部門に際しては家電メーカーを振り向かせられるだけの売上や信頼がまだ無かった為、直接取引は叶いませんでした。
その為怪しげな 2 次取次会社から仕入れた貧弱な品揃えでスタートすることを余儀なくされました。

安定しない経営

ベゾスの顧客体験第一の姿勢により利益が増えると共に支出や損失も増えていきました。
その結果、2000 年には Amazon の損失は 10 億ドル以上ほどにまで上っていました。

それに加えて、1990 年代から 2000年頃までに起きていた IT 企業の株価が軒並み上っていたドットコム・バブル ( IT バブル) が弾け、Amazon に対する評価も落ちていきました。
IPO 以来右肩上がりだった Amazon の株価もこのドットコム・バブルが弾けてから 21 ヶ月連続で下がり続けたのです。

そして社員の人数も 1998 年の 1500 人から 2000 年になるころには 7600 人にも増えており、そろそろ社内の統率を取る必要とベゾスですら考えていました。

投資家の目も厳しくなる頃ついにベゾスも方向転換を行い、方針を「早くでかくなる」から「社内をまともにする」に変わりました。

新しい製品カテゴリーの導入速度を遅めたり、インフラストラクチャーを無償のオペレーティングシステムである Linux に変えたり工夫を行いました。
そして 1300 人の人員削減を発表しました。

成長を続ける Amazon

ドットコム・バブルの崩壊による株価の下落など様々な障害がありながらも、その後 2012 年から 2013 年にかけて Amazon の株価は 60 % も上昇しました。

アマゾンウェブサービスや動画のストリーミングなどの新規事業を始め、アパレルの拡大や、アマゾンサプライと呼ばれる工業用品などのストアの開設、広告サービスの拡張などを行いました。
プライム会員を対象に翌日配送や即日配送を無料で提供するようになったり、食料品配送サービスのアマゾンフレッシュを開始したり、様々なサービスを展開していきます。

今後もベゾスが顧客体験第一を追求する限り、様々なサービスを展開していくことでしょう。

まとめ

今回は Amazon が成長の中でどのような挑戦を行なってきたのかを紹介しました。

ドットコム・バブルの崩壊という大きな障害によって様々な IT 企業たちが倒産していく中 Amazon が生き残ったのは、ベゾスの鋭い決断力と顧客第一の姿勢によるサービス展開の結果と言えるでしょう。

今後も Amazon がどのようなサービスを展開して更にどう成長していくのか見届けるのが楽しみですね。

参考文献

ジェフ・ベゾス 果てなき野望 / ブラッド・ストーン著 / 日経BP社 (2014/1/9)